先日「『学力の』経済学」の著者である中室牧子氏の講演会に行ってきました。
中室牧子先生の講演会は、テンポもよく、話もわかりやすく、頭のいい人ってこういう人のことを言うんだなーと実感しました。
人気のTEDtalksを視聴した後のような爽快感があり「あー面白い講演会だった!」と心から思いました。
教育について話す時に人は「主観」を通して語りがちですが、「客観」的な、統計データに基づく科学的根拠を持った教育論をお話ししていただきました。
「主観」を通した教育論の代表的なものといえば
「子どもを東大に入れた母親の話」や
「学年ビリだった女子高生を一流大学に入れた塾講師の話」
のようなものが代表的なものとして挙げられます。
中室牧子氏は子どもがおらず、終始徹底した客観的な教育論をお話ししてくださり、とても納得のいくものでした。
ちなみに、私は主観的な教育論の本やブログも大好きで色々読ませて頂いています。
共感したり、自分も興味のあるものであれば取り入れてみたりしています。
主観的な体験をもとにしたものは、「根拠」のデータはないわけですが、その実体験というのは、母親本人と、子ども本人の何年もの取り組みが反映されているわけで、とても価値のあるものだと、私は思っています。
それが即、学校の教育方針などに採用されることはないでしょうが、家庭内で試行錯誤していく際の、大きな助けにはなると思います。
講演会でお話しして頂いたものの中で特に印象に残ったものが以下です。
(私の記憶で書いています。細かい点は違っているかもしれませんのでご了承を)
勉強しなさいというのは、むしろ逆効果
親の子どもの勉強に対する働きかけの効果のグラフがありました。
・勉強したか確認している
・勉強をしている時に、親がそばで見ている
・勉強する時間を決めて守らせている
・親が勉強するように子どもに言う
上の3つは、効果がありました。
1つだけ明らかに効果がなかったのが、4つ目の「勉強するように言う」というものです。ごくわずかしか効果がありませんでした。
このグラフには親と子供の性別も含まれていました。
母親から娘に勉強しなさいということ
に関してはむしろマイナス効果で、言った方が余計に勉強しなくなるという有様。
いかに効果がないかが分かります。
同性の親の勉強のサポートの方が効果が高い
ということもわかりました。
母親と娘のペア、父親と息子のペア、がともに効果を上げています。
我が家の場合、子どもが男の子なので、父親が勉強を見てあげた方が効果が高くなるわけです。
けれど現状として父親が、子どもの勉強を見ていることはほとんどありません。
平日家にいる時間もかなり短いので仕方がないのですが…。
母親である私が、そばで見ている、というよりほとんど一緒に学習に取り組んでいます。
まだ問題の文章を自分で読めないというのも大きいですが、小さな頃からお母さんと一緒にプリント学習をするという習慣になっているので、たとえ文章を自分で読めるようになっても、まだしばらくは私が常に横に付き添うスタイルになりそうです。
でもこの「勉強をしている時に、親がそばで見ている」
という方法も、効果があるというデータを見たので、今後も自信を持って続けていきたいと思います。
放っておいても子どもが自らリビングで勉強をして、母親は横で家事をしている、というスタイルには少し憧れていますが、数年先でしょうか…。
中室牧子氏の「『学力』の経済学」の本も講演の後に読みました。
本で、テレビの視聴時間と学力について、くわしく書かれた部分があり、以下の「『テレビを全く見ない子より、1時間見る子が学力が高い』って本当?」の関連記事で触れています。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。