塾・浜学園の学園長である橋本憲一さんの著書「灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか」 を読みましたので、感想を書きます。
この本を一言で言うならば「学園長によるめちゃくちゃ内容の濃い講演会及び入塾説明会の書籍化」といった感じです。
浜学園ではどういったシステムで学習していくのか、家での復習のやり方はどうしたらいいのか、何年生の何月ではどういう過ごし方をするのか、 親の心構え といったことが具体的に書かれていました。塾ありきの内容が多かったです。
なので浜学園の入塾を検討している人や、塾に通っている人であれば一度読んでおいて損のない内容だと思います。
色々と有益な事が書かれていたのですが、私が特に印象に残ったところを引用します。
コラム「小6生の天才児を目指してはいけない!?」より引用↓
「ごはんよりも勉強が好きで好きでしょうがない」という特化したタイプは本当に希少で最難関と言われる灘中の生徒を見ても、ごく一握りです。(中略)
しかしそういう子供がいると噂が流れるので「うちの子もそんな風にさせたい」とつい思ってしまうのです。
そんな子供はめったにいません。そのことを最初に知っておいてください。(中略)
小6生の天才児はたまたまうまくいった産物、たまたまの結果であって、それを目標にしてはいけないのです。(引用以上)
別の章「中学受験経験のある親のプラスとマイナス」より引用↓
「どうやったら勉強の仕方がうまくなるのか?」とか「○○くんはどんな勉強の仕方をして力をつけているんだろう?」などということを考えながら塾に通っている小学生はまずいません。
授業中に時計をチラチラ見ながら「あと何分で終わりかな?」とか「今日の晩御飯何かな?」とかそんなことを思っているのが子供なのですから、親の感覚と子供の現状は大きくかけ離れているのです。(引用以上)
ブログやツイッターを見てると好奇心旺盛で、勉強も大好き、やる気があって程よい競争心もある、というようなまるで「カンペキな」お子さんが現れたりします。
以前、「金の角持つ子どもたち」の本を読んだ時に主人公の男の子があまりにもいい子すぎてこの子の存在自体がファンタジーだ、というようなことをブログに書きました。
ですがやっぱり、浜学園の学園長がおっしゃる通り、「ごはんよりも勉強が好きで好きでしょうがない」とか「より効率的な勉強方法を身につけよう!」とか思っている子供はめったにいない、そうじゃなくて当たり前なのだと思います。
そういうことってつい忘れがちなので、「勉強に対する姿勢」みたいな部分で親の理想を押し付けないように、自戒しておこうと本を読んで思いました。
灘目指してなかったはずなのに…
うちは灘中を目指しているわけではない状態でこの本を読み始めたのですが、この本を読み終わったときにはおそろしいことに、「とりあえず灘中目指しとこか」みたいな気持ちになっていました。笑
濃〜い入塾説明会に、影響されまくっている。笑
佐藤ママが質問に答える動画で「奈良にはいい学校、東大寺とか西大和とかあるから行かせられたら良いかな、と浜学園に通い始めて、灘クラスに入れて、手が届きそうだったから灘受験したら合格したから通った。」みたいにおっしゃっていた流れがすごーくよくわかりました。
浜学園に通っていたら、「とりあえず灘」みたいな先生とか周りからの仮目標が設定されてて、なんとなく通っているうちに、「なんとなく行きたい」ってなって最終的に「行きたい!」ってなるんだろうなぁ、と。
塾って子供のやる気も高めてくれるだろうし、とてもありがたい存在だとは思うけど、迷ってる状態で入塾しても、「灘は受験しない」とほぼ決めている状態で入塾しても、なんか知らないうちに「灘目指してる」みたいになりがちだと思います。
そのあたりも気をつけながら、今後も我が家の中学受験を進めて行こうと思います。
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