「計算力か思考力か、どちらが大事か?」
私も何度も目にした事のある問いです。
このことについて考えるきっかけがあったので、書くことにしました。
「計算力か思考力か、どちらが大事か?」というような話になると
「計算だけできてもしょうがない。計算はパソコンなどがしてくれるから、そんなことよりも思考力をつけよう」
というような文章を目にしたことがあります。
でも、私は計算力をほどほど(反射的に計算できないけどなんとか計算できる程度)にしかつけていなかった場合、高い思考力をつけるのは難しいのではないか、と考えています。
きっかけは、6月に長男にとって2回目になる、四谷大塚の全国統一小学生テストを受けたこと。
うちの子は、そろばん式の暗算トレーニングをしているおかげで計算は得意なので、最初の単純な計算問題は素早く終わらせたようです。
今回の四谷大塚の全国統一小学生テスト制限時間は30分ですが、小2の子供が解くには多すぎる量が出題されていました。
一番最初は単純な小学校レベルの計算問題。
だんだん難しくなっていき、一問に時間をかけて取り組む思考力が問われるような問題になっていきます。
一番最後の方は正答率が0.0%というような、とても難しい問題が出題されていました。 ほぼ誰も解けていない。
計算が苦手な場合、最初の計算問題に時間を使ってしまい、最後の思考力の問題を解く時間が無くなってしまうのです。
たとえ最後の方の思考力を要する図形や論理的思考力を試すような問題を解くことができる能力があったとしても、計算問題に手間取っていてはその力を発揮する時間もないのです。
計算力の上に思考力
計算力か?思考力か?ではなくて、
「計算力がある場合、思考力があるのか?も試される」
言い換えれば、
「計算力がない場合、思考力を披露する場さえ与えられない」
とも言えます。
今回のテストでうちの長男は正答率2%の思考力の問題にも正解していたのですが、 この問題に取り組むことができたのはそろばん式暗算で計算し、最初の単純な計算問題を素早く計算する力が付いていて、後半の問題を解く時間が残っていたからです。
(素早くというと、字を雑に書くのを連想するかもしれませんが、脳内で解くので手早い筆算よりも早いです。)
小学校で教わるやり方でゆっくり丁寧に問題を解いていたら(←筆算の下線を定規を使って引いたり!)最後の問題に取り掛かることもできなかったでしょう。
最後の問題に取りかかれているのは、計算が早い子、文章を読むのも速い、処理能力の高い子が中心だと思います。
その上で、思考力がないと正解にはならない。
計算力も思考力もないと正解できないのです。
基礎問題は大事
四谷大塚の全国統一小学生テストは、前半の秒で終わる計算問題も、最後の絶対に公立小学校のその学年では出てこないような難しい問題も配点は同じ、むしろ最初の簡単な問題の方が得点が高い場合もあります。
(だから計算問題を捨てて、思考力問題を解くのはメリットなし)
「それっておかしくない?こんなに難しい問題なんだから点数高い方が自然でしょ。」
って最初思っていたのですが、点数配分は作問者(塾)からのこんなメッセージとも捉えられます。
「基礎問題は大事だから疎かにするな。」
今現在の年齢で最後の難しい問題を必ず解けと言っているわけではなくて、基礎問題を大事に、ちゃんと基礎を固めていけば、ある程度の点数が取れるようになっています。
実際、8+3=の答えと、問題文だけで2ページも文章を読まないといけない問題の答え、どちらも同じ点数、同じ重み。
ケアレスミスの重みを感じます。
(今感じているのは親だけですが、そのうち子供も感じるようになるかな。)
「算数が得意」な子は計算が得意かつ思考力問題もできる、というように、ある程度の相関関係もあるような気がしています。
計算力がついた上で積み上がってくるのが思考力では?
計算を疎かにして「これからの時代は思考力だから!」と思考力問題ばかりに取り組むのも危うい土台の上の力になってしまいそうです。
ここまで書いて、以前「算数が得意な子供に育てる4つの方法:幼少期の過ごし方」の記事を書いたのを思い出しました。
この記事です。
そこで栗田哲也さんが本で
算数オリンピック上位入賞者(=思考力系問題を解けるひとたち)は低学年の頃に公文などで計算力をつけていたという共通項を挙げていました。
やっぱり、計算力があっての思考力な気がします。
今、改めて読んでみると…書いた当時息子が当てはまっていなかった「将棋」。
今は、どハマりして、毎日将棋の本を読んでいます。
はっきり証明はできない、けどなんだか良さそうなのは、ぼんやりわかります。
・低学年の頃は計算力をつける!
・思考力問題もドリルでそれなりにはする(難しすぎる必要はない)!
そんな感じでいいのかなぁ…
まだまだ成長途中の小2の息子をみて、今後も考え続けます!
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