本「中学受験 男の子を伸ばす親の習慣」安浪京子さん(著) を最近読んだので感想など書こうと思います。
うちは小2と2歳の男の子2人を育てていて、中学受験も考えているのでこの本を読みました。
安浪京子さんは「きょうこ先生」と呼ばれていて、プレジデントFamilyの雑誌で掲載されていたこともありますし、中学受験業界では有名な方のようですね。
私は、今回初めて安浪京子さんの本を読みました。
ちなみに
「中学受験 女の子を伸ばす親の習慣」という女の子版の本も出ています。
共学校か男子校か?
中学受験を考えていると出てくる悩みが「共学校にするか、男子校(女子校)にするか?」ですよね。
どんどんと学校の共学化は進んでいますが、うちの子に合うのはどっちでしょうか?
ぼんやりと共学がいいような気がしていましたが、以下のようなことを考えると男子校も悪くはないなぁと思えました。
以下、引用します。
向いているのは男子校?共学校?
男子校のメリットとしてよく挙がるのが、男子校では異性を気にしなくていいため、男の子はこだわりなく本来の自分でいられるという点です。
音楽や芸術、演劇といった男らしくないとみなされそうな分野への関心を深め才能を伸ばしていくことができます。
男子校の男の子は共学校と比べて美術、音楽、外国語、文学を学ぶ例が2倍になるという研究報告もあります。(中略)
男女別学はジェンダーの固定観念を打ち破る傾向があり、共学校ではジェンダーの固定観念を強化する傾向があります。
どんな子でも素の自分を出し、その子に合った場所が見つかるのが男子校の最大のメリットです。
「男らしくないとみなされそうな分野」への関心を深め才能を伸ばしていくことができる、という点について思い出したことを紹介します。
関西の最難関校の一つである男子校、東大寺学園の文化祭に2018年に行ってきました。
どの部活や同好会もかなりのレベルと完成度で驚いたのですが、中に折り紙同好会がありました。
その時の写真がこちら。
クオリティがハンパないです。
もしこの子が地元の公立中学や共学私立に入っていたとしたら?
東大寺学園の折り紙同好会で作っていたものは男の子っぽいアイテムが多かったですが、折り紙って女の子のものという印象が強いですし、折り紙同好会があったとしても人目を気にして入れないかもしれません。
他には、室内楽部の定期演奏会があったのですが、 ずらりとバイオリンなど室内楽器をひく男子生徒が並んでいました。
一般的に音楽って女の子の方が印象が強いですし、共学だとこれだけの男子メンバーは集まらないかもしれません。
他には体育館で、高い声での声楽(?)を発表している男子生徒もいました。 (私、あんまりハイソサエティなことよくわからないんで、なんか違うかも…。)
これら全て、共学校で多感な時期に「女子からどう思われるか?」を考えずにしようと思うと難しいのかもしれません。
あんなにすごい折り紙が折れるのも、バイオリンを弾けるのも、声楽もどれもめちゃくちゃかっこいいんですが、「世の中のイメージ」のせいで「男らしく」いるためにこれらを諦めることになったら残念すぎます。
男女別学はジェンダーの固定観念を打ち破る傾向がある、というのはこういうことかな、と思いました。
一般的な「男らしさ」とは違う個性をもった子にこそ、「男子校」なのかもしれませんね。
▼東大寺学園の文化祭に参加した時の様子はこちら www.tensai-banzai.com
男の子の字が雑問題
うちの長男、字がめちゃくちゃ雑なんです。
図や式も書きたがりません。
まさにそのことについて書かれている部分があったので、以下、引用します。
男の子は図や式を書くことを面倒くさがります。(中略)
男の子には「式を書くこと」「字は丁寧に書くこと」をこんこんと言い続けなければなりません。
ではいつになったら言われなくても丁寧に書けるようになるのか。
これは本人が「式を書かないと」「字は丁寧に書かないと」と自発的に考えた時。
いつ自発的に考えるかは人それぞれです。
残念ながら最後までそうならないまま中学受験が終わることもあります。
ええ〜?
そんなに長いこと「式を書くこと」「字は丁寧に書くこと」をこんこんと言い続けなければならないのか〜!
言っても聞かないんで、なんかもういいかな…みたいになりかけてたけど、長い長い旅になりそうです(遠目)
男女のバランス問題
私立共学校の男女別の定員について書かれた部分で、気になった箇所があったので引用します。
私立共学校は女子が強い!?
共学校の偏差値は男子より女子の方が高いというのをご存知ですか。(中略)
女子の募集数の方が少ないため倍率が高くなるからです。(中略)
ではなぜ女子の募集数が男子の募集数より少ないのでしょう?
その理由に男女の成長差が挙げられます。
中学入学時点では女子の方が成熟度が高く、精神面で男女のバランスが取れません。
もし募集をきっちり男女半々にしてしまうと、元気な女の子がクラスを仕切り、男子がそれに引っ張られていく形になってしまう。
小学校と同じ現象が起きてしまうというわけです。
そこで女子の数を減らすことで全体のバランスを整えているのです。 こうした傾向は上位校ほど強くあります。
このように書かれていました。
例えば「男女の定員数の違いについて…と学校側は説明をしています。」との表現であれば学校が説明をした内容の事実を述べているだけなのでいいと思うのですが…
「精神面で男女のバランスが取れません。」
は、本当に事実ですか?思い込みではないですか?
私は男女約半々の公立小中高出身ですが、「元気な女の子がクラスを仕切り、男子がそれに引っ張られていく形」
だとは思っていなかったですが…?元気な女子もいれば元気な男子もいるでしょう。
中学入学時に「男子って幼いから女子との精神面のバランス取れないわ〜」とか全く思っていなかったですけど…?
「女子の数を減らすことで全体のバランスを整えているのです。」
は、その必要性って本当にあるのですか?
学校全体での精神面のバランスをとるために、男女の学習機会の平等のバランスが崩れていませんか?
など気になってしまいました。
最近、都立高校の男女別の定員制によって入試で女子に不利になっている問題など取り上げられていましたよね。
上位男子校が共学になり、選択肢の少なかった女子に選択肢が増えるのはいいことですが、定員数の差は私は気になっています。
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