子供への読み聞かせで出会った絵本の中から、大人が泣ける絵本を紹介します。
子供が生まれて、自分自身が親になったからこそグッとくる絵本というのがあります。
ぜひ、声に出してお子さんにも読み聞かせしてあげてください。
モチモチの木
弱虫の主人公の男の子はおじいちゃんと一緒に住んでいます。
夜を怖がって一人でトイレにも行けません。
でもある時おじいちゃんが病気になった時、男の子は勇気を出して夜中にお医者さんを呼びに行きます。
ラスト、おじいちゃんが病気で死ななかったことも良かったし、「男の子が強く成長しました」という終わりじゃなくて、またやっぱり前と同じ甘えん坊の男の子のまま、というところにもほっこり和みます。
私はおじいちゃん、おばあちゃんものに涙腺が緩みがちなのですが、このおじいちゃんもとってもいいです。
子供を信じて包み込むいい言葉を言ってくれます。
弱虫な主人公の男の子が、自分の息子と重なってがんばれって応援したくなります。
絵がとても綺麗で美しく感動的です。
同じ作者のお二人の「花さき山」もとっても良く、泣けます。
親とか「誰か」に褒められるからいいことをするんじゃなくて、心からいいことをする姿に感動します。
さっちゃんのまほうのて
生まれつき指のないさっちゃん。
幼稚園でお友達に指のことを言われて落ち込みます。
「小学生になったら指がはえてくるの?」と聞くさっちゃんに、お母さんが「ずっと今のままよ」と伝えるシーンが泣けます。
お母さんもお父さんも、さっちゃんに手のことを伝える時にとてもいい言葉で伝えます。
さっちゃんがたくさん愛されていることが伝わってきてジーンときます。
先天性四肢障害児父母の会との共同制作だそうです。
絵本自体は創作だと思いますが、きっと会のお父さんやお母さんの気持ちが詰まっている絵本なのでしょうね。
お友達がさっちゃんに嫌なことを言うシーンで、うちの子は「そんなん言ったらあかんねんで」って言ってました。
私は、絵も好きです。
いつものさっちゃんのわんぱくで元気な感じが伝わって来ていいです。
最初のあたりはさっちゃんの指が見えない絵だったりして、予備知識なしに読んでいたら途中でハッとするんじゃないかな。
あさえとちいさいいもうと
林明子さんの素敵な絵の絵本。
お姉ちゃんである「あさえ」が妹と遊んでいるうちに、妹がいなくなってしまいます。
ハラハラしながら妹を探します。
最後に妹に出会えたシーンにすごくほっとして泣けます。
文章にはないですが、小さくお母さんもうつっているのもいいです。
裏表紙にお母さんとあさえと妹の3人の絵があって和みます。
1982年発行の「あさえとちいさいいもうと」
私は子供の時にもこの絵本を読んだことがあって、その時は妹を探すシーンが不安で怖かったように記憶しています。
親になった今読んでみると、あさえの小さいながらも妹を思いやる気持ちがいじらしいです。
「いもうとのにゅういん」というこの姉妹の続編の絵本も出ています。