「平日のテレビ視聴時間が1時間未満の子供のほうが、全く見ない子供より成績が良い」という説はご存知ですか?
ちなみにうちは「テレビなし育児の影響」 の記事でも紹介したように、テレビを見せない方が子供にとって良いと思い、4歳までテレビを一切見せずに育ててきました。
私は上記の1文を、幼児用のドリルの欄外の「一言勉強アドバイス」のようなもので初めて見かけました。
その時は引用元も載っておらず、とても不思議に思っていたのですが、 元になったデータが分かったので、考察してみます。
「平日のテレビ視聴時間が1時間未満の子供のほうが全く見ない子供より成績が良い」?
2013/12/25付の日本経済新聞のニュース記事
に、載っていました。
全国学力テストで実施した児童生徒へのアンケート結果と成績との相関関係なのだそうです。
文科省は「視聴時間を決めるなど、節度を守って見れば知識の習得に役立つのではないか」とみている。
と書かれています。
まるでテレビを見ていなくて低かった学力が、平日1時間未満のテレビ視聴によって見聞が深まり、学力が高まる因果関係があるかのような考察です。
ですが、テレビを全く見ない子と言うのは、 我が家のようにそもそも家にテレビがないとか、親がテレビを見せないようにしている事が多いと思います。
環境によってテレビを全く見ていないだけ、というような。
それに比べて一日一時間未満のテレビ視聴をしている子というのは、家にテレビがあるはずです。
テレビを見る自由も与えられているはず。
ですが、1時間未満に抑えている。
テレビが見れる環境にあるにもかかわらず、自制心によって一時間未満に抑えているわけです。
「『学力』の経済学」(中室 牧子・著)の本に載っていた「非認知能力が高い子」ということになります。
「自制心の強い、非認知能力の高い子は成績が良い」
これが、全国学力テストからわかる結果ではないでしょうか。
テレビを見ていなくて学力が高い子といえば
お子さん4人全員を東大理Ⅲに合格させた、佐藤 亮子さん。
「『灘→東大理III』の3兄弟を育てた母の秀才の育て方」
で、テレビは非日常のものとして、普段は見せていなかったことを、紹介されていました。
テレビを見せていなかったことは、お子さんの高い学力の要因の一つではあると思いますが、簡単な直接の因果関係ではないでしょう。
母親である亮子さんが強い信念のもと、お子さんが幼少の頃からあらゆる英才教育を行なってきたから学力が高くなったはずです。
親の遺伝説(お父さまが弁護士)もありますが、私は親のサポート力が大きいと思います。
ちなみに「『学力』の経済学」の本に、とても興味深い部分がありましたので、以下に引用します。
第2章:子どもをご褒美で釣ってはいけないのか?
1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子どもの発達に与える影響は、全くテレビを見ない・ゲームをしないのと変わらないことが示されています。
一方一日2時間を超えると子どもの発達や学習時間への負の影響が飛躍的に大きくなることも明らかになっています。
子どもが1日1時間程度、テレビを観たりゲームをしたりすることで息抜きをすることに罪悪感を持つ必要はありません。
<まとめ>
1時間見たから学力が高いんじゃない。自制心が大事。
テレビを見れるのに1時間未満に抑えられるような自制心の強い、非認知能力の高い子は成績が良い。
テレビを見ないだけで成績が良くなることも、
テレビを1時間未満見るだけで、成績が良くなることもないでしょう。
(「全く見ない」と「1時間未満の視聴」の学力の差は、ほぼないはず)テレビを見ない、もしくは1時間以内のテレビ視聴に、楽しく勉強に取り組めるような親のサポートがあれば、おそらく子どもの学力は伸びる。
というのが、私の考察です。
相関関係か、因果関係か…。
中室先生の講演会に行ってから、よく考えるようになったテーマです。