私の家にはテレビがありません。
息子は「アンパンマン」も「おかあさんといっしょ」も一度も見ないまま4歳になりました。
「子どもが小さい内はテレビを見せないでおこう」という方針があったので YouTube などの動画も見せていませんでした。
テレビを見せない「テレビなし育児」、我が子がどんな子に育ってきたのか、どんな影響があったのか、考えてみたいと思います。
テレビを見ずに育つとどんな子になるの?
うちの子に限らず、私が実際にあったことのある5人のテレビなし育児で育った子たち(女の子2人、男の子3人、2歳〜5歳)のことも思い出しながら書いてみます。
落ち着きのある子
どの子もとても落ち着きのある子という印象でした。
元気に子供らしく走り回りますが、人の話を聞かなくてはいけない時に走り回って落ち着いて話を聞けない、というようなことはありません。
人の目をしっかり見て話を聞く子が多いです。
知り合いのお家は、お子さんがYouTube漬けになっていたのですが、「子供が起きている間は両親ともにパソコンは開けない」というルールを決めて YouTube断ちしたそうです。
それまでいつも落ち着きのなかったお子さんが、たったの3日ですごく落ち着きのある子供になったと言ってお母さんが驚いていらっしゃいました。
絵本が好きな子
とても絵本好きな子が多いです。
実年齢よりも大きい子が読むような長い絵本でもじっと聞き入っている姿が見られます。
テレビというエンターテイメントがない分、絵本を読むことをとても楽しみにしているようです。
想像力豊かな子
子供はみんな想像力が豊かですし、想像力を比較したりするのはとても難しいのですが、息子を見ていても想像力が豊かな方だと感じます。
いつも絵本の読み聞かせで、想像を膨らませて楽しむという訓練ができているからだと思います。
息子はあまりリーダータイプの子供ではないのですが、子供同士で遊んでいると想像力を発揮して周りの子達を空想の世界に引き込んでいって、一緒に遊んでいる様子が見られます。
純粋な子供らしい子
これもとても主観的なことなのですが、私が実際にあったことのあるテレビなし育児で育った子たちは、とても子供らしい子供、純粋なイメージで、素直な子が多く、子供らしい可愛らしさが溢れていました。
テレビを見ていないからこうなった、とも言い切れませんがこういう傾向はあると思います。
テレビを見ていても上記のような特徴のある子供もたくさんいますね。
《テレビなし育児》メリット
ヒーローものやアニメキャラクターのおもちゃをせがまれることがない
小さいお子さんをお持ちの家庭は
「ヒーローものの変身ベルトだとかアニメの間に挟まれる CMのおもちゃを子供にせがまれて困る」
「おもちゃを買ってもすぐに次の番組が始まっておもちゃがガラクタになってしまう」
という事が多いのではないでしょうか?
うちはそういったテレビ関係のおもちゃをせがまれたことはありません。
おまけのキャラクターおもちゃが欲しいからファーストフードのお子様セットを食べたいということにもなりません。
一人遊びができるようになる
親が家事をしている間、どうにか一人で時間を過ごさないといけないので、一人遊びが上手になります。
想像力もこの一人遊びの時間に育まれている部分が多いと思います。
親子のふれあいの時間が増える
親が家事をしていない時間、親は子供と向き合って一緒に時間を過ごすことになります。
子供と一緒に工作をしたり、おしゃべりをしたり、絵本を読んだり、おもちゃで遊んだり。
とても大切な時間を過ごすことができます。
自分の感情に向き合える子供になる
テレビに頼らない子育てだと、子供が思い通りにならなくて泣いたりした時に、テレビで気をそらせてとりあえず泣き止ませてしまうことがありません。
子供は気が済むまで泣き続けたり、親と話をしたりして納得したりして、自分の感情と向き合えます。
テレビやスマホを泣き止ませる道具として使っていると、子供自身が自分の感情をどう扱っていいのか分からなくなってしまう、というような文章を読んだことがあるのですが、 そういう心配がありません。
これと、上にも書いたような、落ち着きがある子、絵本が好きな子、想像力が豊かな子、純粋な子どもらしい子になる傾向もメリットだと思います。
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《テレビなし育児》デメリット、気になる点
私が実際にあったテレビなし育児で育った5人の子供たちの様子を見て、デメリットは何も感じませんでした。
みんなお母さんにたくさん手間や気をかけてもらって、純粋に素直に育っている様子を見て、やはりテレビなし育児は子供にとって良いものだという考えを深くしました。
ですので、ここでは、私のみに焦点を絞って書いていきます。
親が大変
テレビなし育児の一番のデメリットは「親が大変」ということでしょう。
おそらくほとんどの親御さんが、家事を集中してしたい時には子供にテレビを見せるスタイルを取られていることかと思います。
家事に終わりはありませんので、「ついついテレビをつけっぱなしにして見せすぎてしまう…」と悩まれている方も多いと思います。
関連記事▶「私が家事をしている間に子供はどうやって待っているのか」
テレビなし育児では、テレビに子守をしてもらうことができないので、家事を子供に邪魔されることがよくあります。
そして常に子供の相手をしなければいけない状況になりがちです。
それで育児にストレスを感じることもありますから、デメリットと言えます。
関連記事▶︎「テレビなし育児の親は辛いのか?メリットとデメリット」
DVDなどの幼児教育教材を使えない
いろいろ幼児用の英語教材などありますが、それが使えません。
通っている英語教室でもDVDを勧められますが、うちはCDで聞いて、絵本を親が読み聞かせる、というアナログスタイルでいっています。
テレビへの執着心で反動がくるかもしれない(という不安)
息子は全くテレビを見ずに育ったので、外出先や実家などでテレビがついていると、とにかく珍しくて、釘付けになります。
ニュース番組であっても、固まって見たがります。
テレビを見る機会があるとその後に「テレビが見たい」とはっきり言うようになってきました。社会生活上、テレビを見る機会はあり、テレビとの接触を100%なしにすることはできませんので、「見たい」という欲求は持つことになります。
「子供の頃にテレビを見せてもらえなくて、自由に見れるようになってからは大のテレビっ子になった」
というような体験談も聞くことがあり、そうならないかという不安があります。
小学生になってからゲームにドハマリ、なんてことにならないかも不安です。
子供同士のテレビの会話に入れないかもしれない(という不安)
幼稚園で、アニメなどのテレビ番組のキャラクター名を覚えてくることがあります。
年少の今はまだ、子供同士の会話は普段から噛み合っていないような感じなので、大して気にはならないと思います。
ですが、あと数年たったらもう少し具体的なテレビの話など子供同士でするようになるでしょう。そういった時に会話に入れないということにはなると思います。
その時に、「だから見たい!」となるか「テレビの話以外にも話す事は色々あるから大丈夫」となるか、まだ分かりませんね。
テレビを見せない方法
テレビなし育児を実践する場合のコツ
テレビなし育児に興味を持ってくださった方に、実践する場合のコツをご紹介しましょう。
1 テレビを持たない
私の家にはもともとテレビがなかったので、テレビなし育児はするのはそんなに難しくありませんでした。
あるけど見せない、もしくは、ちょっとだけ見せるという方が難しいと思います。
究極の方法と思われるかもしれませんが、テレビなし育児をしようと思っているのであればテレビをいっそのこと捨てたり、譲ったりして手放してしまうのがいい方法だと思います。
2 ルールを決める
「いきなりテレビを捨てるなんてできない!」との心の声が聞こえてきましたので、2つめの方法です。
「午前中はつけない」「子供が起きている間はつけない」など何かしらルールを決めてみてはいかがでしょうか。
大きなテレビであれば、テレビを見るときにカバーを開けて、見終わったらカバーをする、というように、始めと終わりをきちんと区切って、つけっぱなしにならないようにしてみましょう。
小さなテレビであれば、見る時だけ居間に出してきて、見ない時は押入れにしまっておく、という方法もいいと思います。
押し入れに入っていると思えば安心かもしれませんし、押入れから出してくる作業が面倒くさくて見なくなるかもしれません。
上にも書いた知り合いのお家は「子供が起きている間は両親ともにパソコンは開けない」というルールを決めて実行したそうです。
3 確信を持つ
「よしテレビなし育児をするぞ!」と決心をし、「これは子供にとって良いことなのだ」という確信を持つことも大事です。
シュタイナーでは子供へのテレビの害を訴えています。
「親だからできる赤ちゃんからのシュタイナー教育」という本の「テレビはどうしていけないのですか?」の部分にそれが書かれていますので、読んで納得できれば、より決心が固まるのではないでしょうか。
他にもテレビの害を書いた本はあるはずです。
4 仲間を持つ
子どもにテレビを一切見せない、というのはかなり珍しいと思います。
テレビなし育児をするのであれば、あなたはマイノリティの仲間入りをすることになります。
でも親の方針で子供にテレビを見せていない家庭というのは、必ず存在します。
自然派志向のお母さんはテレビを見せない傾向にあるかと思いますので、SNSなどでそんな方を探してみてもいいですね。ご近所さんにいればさらに心強いです。
「周りはみんなテレビを見せているのに私だけ見せていない」と思うと追い詰められるような気持ちになるかもしれません。
ですが、他の同じ境遇の家庭のお話を聞いたりすることで気持ち的にも楽になると思いますし、こういった時はどうしよう?といった小さな悩みも打ち明けあったりできるでしょう。
テレビなし育児をしている仲間を見つけて連絡を取り合うと、続けやすいと思います。
《テレビなし育児》まとめ
「テレビを見せていない」「そもそもテレビを持っていない」と言うとよく驚かれます。
私は「小さい頃にテレビを見ずに育つことが、こどもの一生にとって良い影響を及ぼすだろう」という信念に近いものを持っていましたので、4年間子供にテレビを一切に見せずに育ててきました。
4年経った今、テレビを見せずに子育てしてきて、よかったなと思っています。
絵本を好きになってくれたこともそうですし、今しかない子供の大切な時間を、テレビ画面ではなく、現実社会を見て育ってくれたことも。
家にいて暇な時に、ボーっと寝そべって窓の外の木や雲を眺めている息子。
何もしていないようで、彼にとって何かになっているのだろうと思います。
【後日追記】この記事を書いた3年後、小学生になった息子の様子(テレビとの付き合い方、私が感じている最大のメリットなど)を書きました。